#3原田 ななみさん
兵庫県立西宮高校出身/NIC大阪校第5期生
ニューヨーク州マンハッタンビル大学ミュージカル演劇学科 4年
Manhattanville CollegeBFA in Musical theatre
悩んでいる今が、
人生を変えるチャンス。
受験生だった春、芸大の受験に落ち続けた私は、縛られた環境でやりたい事にも打ち込めず、やらなければならない事にも全力になれず、人生に悩んでNICに入ることを決めました。その時の私は、何ひとつ結果を残せない現状と、誰にも心を開かない態度で周りからの信用も失いかけ、ただのやさぐれた小娘だったと思います。
もともと、英語は全くと言っていいほど出来ませんでした。NICが始まる前夜、家で英語の文を声に出して読んでいると、あまりの英語能力のひどさに両親は「わざと下手に読む演技をしてるんじゃないの?」と絶望するほどでした。
NICでの1年間は、とにかく必死に勉強しました。もちろん、すぐに全てが上手くいったわけでは、ありませんが、頑張っても成績が上がらない時、変わりたくても変われない自分と向き合ったときに、いつも諦めず、的確なアドバイスと助けを差し伸べて応援してくださった、たくさんの先生、スタッフの皆さんがいました。
自分の未熟さに気付けず、いつも心を閉ざして、反発心を持って物事に取り組んでいた私に、NICは勉強を通して「甘えることと頼ることは違う」ことを教えてくれました。この時初めて、誰かに勝ったり、見せつけるためじゃない、与えてもらった何かに応えるために、感謝を伝えるために、精一杯頑張って結果を出したいと思いました。
それは1年間で得た英語力や勉強する習慣以上のもので、アメリカに来てから、人としてのこの基盤がどれだけ活きていか、毎日思い知らされます。
今、ずっと夢だったミュージカルの世界で一流を目指すため、アメリカのNYに渡米して2年になります。去年コミュニティカレッジを当初の予定より早く卒業し、大学から奨学金をいただいて4年制大学に3年次編入、来学期から4年生に飛び級します。
通常、言葉の壁のある私たち留学生にとって、ネイティブのクラスメイト達と並んで4年で卒業に辿り着くこと自体、簡単な事ではありません。そんな中、自分のやる気と周りの人の助けで、トータル3年で卒業出来ることになりました。
周りに日本人はいません。でも、孤独だと思ったことは一度もありません。
学内では、いつも舞台のためのオーディションの日々で、「言葉の芸術」であるミュージカルの世界で、ネイティブの子達といつも同等に闘っています。目標が大きい分、現実の厳しさに涙することもありますが、誰にも負けないやる気と野望を持って、心を開いて立ち向かっていくことで、本場NYの地で、みんなに必要とされる「ひとりの舞台人」として受け入れられるようになりました。
世界で何かを目指したいと思った時、最後に1番必要なのは、英語力だけではありません。逆に、もし10代の頃の私のように大切な事に気付けていなければ、そこに優秀な成績が加わったとしても、その先得られたものは少ないと確信しています。
私でも、自分の人生と周りの人たちをこんなに愛せるようになりました。みなさんももし何かに悩んでいるなら、それが人生を変えるチャンスになるはずです。