Miyu Inagakiさん
この一年間で、私たちはたくさんのことを学んできました。歴史、生物、経営、アート、人類学…もちろんこれらは私たちの知識として将来役に立つことでしょう。しかし、私たちがNICの授業を通して学んだことは、もっと他にあります。それは、何に対しても批評的に考えることの大切さだと私は思います。あなたは日常的に流れてくるニュースが信頼できるものだと断言できますか。メディアの情報はいつも正しいと言い切れますか。時にいい加減なメディアは一部の情報を切り取り、誤解をうむような報道をすることもあります。情報は簡単に操作できるからです。一番大切なことは、常に偏見なしに問題と向き合い、知ろうとすることだと私は思っています。
皆さんはイスラム教の方々のことをどう思いますか? これは憶測ですが、少なからず怖いという第一印象を抱く方もいらっしゃるでしょう。しかしイスラム教の方のほとんどは過激思想を持っているわけではなく、彼らはただ自分の信じる道を進み、祈っているだけなのです。彼らも普通の人間なのです。無知というのは怖いことです、それゆえ偏見も生みます。イギリスの哲学者、フランシス ベーコンの残した有名な言葉があります。知は力なり。知ると言うことは恐れをなくしていきます。それが人類の本来の力であることを学びました。
大阪校六期生、私たちの進学先は、アメリカ、イギリス、フランス、スイス、オランダ、チェコ、ブルガリア、エストニアと多岐に渡ります。中には同じ学校に行く人もいるでしょうが、完全に他の人と同じ道を歩む人はいないはずです。各々がそれぞれ違う道を進むということは、未知なる道を自分の力で切り開かなければならないということです。それは先ほど私が言った通り、知らないことと同じなので、怖いことです。しかし怖いことをを克服した先にはきっと、そこにしかない成長があることでしょう。
私がNICでの生活を通して感じたことは、不可能なことはない、ということです。テストが難しくても、睡眠時間が短くなっても、無理だと思っても、やってみればどうにでもなるのだと、身を以て知りました。そしてその心意気は海外で挫折しそうになった時はきっと自分の支えになるだろう、この経験を携えて自分の進路へ突き進むことほど心強いことはないだろう、そう思います。
六期生を代表して、永井理事長、廣田先生、舘さん、目黒さん、優さん、あやこさん、そして先生達に感謝を述べたいと思います、ありがとうございます。そして六期生の保護者の皆様、いつも支えてくださり、そして本日は修了式にお越しいただき、ありがとうございます。
最後に、学校に通うのがこんなに楽しかったのは6期生のおかげです。
きっとこの苦しくも愛しい生活を生涯忘れることはないでしょう。今日ここにいるNIC6期卒業生のみんなが、各々の目標に向かって飛び立った後も、幸せで、共に目標を達成できることを願っています。
ご清聴ありがとうございました。