Katsuya Hiranoさん
ところで、みなさんはなんのために「学び」ますか?
将来の夢を実現するため、教養をつけるため。それぞれの理由があることでしょう。私はNICに来て、なぜ「学ぶ」のか、その一つの理由を見つけることができました。
私は学ぶことを通して自分にとっての常識を壊したいと思っています。そしてそれは私にとって2つのことを意味します。一つ目は自分の世界を広げることです。私はこの一年でどれだけ自分の知らない世界があるのか知りました。NICでは友人とのディスカッションや多くの記事を通して新しい情報、革新的なアイデアに触れる機会が多々ありました。日本の教育の中で、マザーテレサやガンディーを批判的に見る機会があるでしょうか?私たちが日常で使っている石油で途上国に住む人々の生活や自然を壊している事実に真剣に目を向けることがあるでしょうか?何気ない顔で生活を送っていた自分が怖くなったのを今でも覚えています。
そして2つ目が、世の中の当たり前となっている問題を解決することです。今の世の中、貧困問題、環境問題の存在が当たり前になってきています。マイノリティーへの差別やいじめもなくなりません。
これらの存在がこの世の中にあって当たりまえ。そしてそれらは解決できないもの。と見る人も少なくないと感じてきました。これらの問題は、莫大な知識と努力がないと解決できないでしょう。
とある人は言いました。「賢さは一つの能力であるが、やさしさは一つの選択である。」と。
これからみなさんはそれぞれの道へ進んでいくでしょう。その時にやさしさという選択を決して忘れないでください。これからの人生は冒険です。それは単に自分の知らない場所へ行くことそのものではなく、今までの人生で出会ったことのない困難にぶち当たった時に始まるものなのではないでしょうか。これから先、いくつもの困難が、前へ進もうとする私たちを阻もうとするでしょう。しかし恐れることはありません。この一年間のNICで培った経験は、これからの私たちの人生の糧となるはずです。諦めそうになったときは、なぜあなたがその道を選んだのか初心に戻ってみてください。
最後になりましたが、入学式に引き続き、このような場に立つ機会に巡り合えたこと、本当に光栄に思います。この一年間、時には母親のように温かく見守り、時には父親のように厳しく叱ってくださった、舘さんを始めとする先生、スタッフの皆様、そして兄弟のようにケンカし、笑い、共に日々を歩んだかけがえのない友人たち、陰ながら支え続けてきてくれた両親、保護者の皆様に深く感謝いたします。
閉めるのにコツのいるABCクラスの教室のドア。アントニオが次々に授業に取り入れる流行のテクノロジー。勉強中、ふと気づけば後ろに立ち、にこにここちらを見守る舘さん。
脳裏に焼き付いたこの愛しき日々を私は永遠に忘れられないでしょう。
ありがとうございました!