【NIC第34期生-入学おめでとうございます!】
2021年4月20日(火)NIC第34期生 入学式が開催されました。
新型コロナウィルスの影響で、マスク着用・ソーシャルディスタンスを確保した中での入学式。
これから一年、”ハードbut楽しい”NIC生活を謳歌してください。
【挨拶 永井 潔 NIC理事長】
皆さん、お早うございます。
昨年は、残念ながら、緊急事態のため入学式はありませんでしたが、今年は、この場で、皆さんにお祝いを直接述べる事ができることを嬉しく思います。
皆さんは、NIC34期生として入学されましたが、これまでに1万人以上の卒業生を輩出し、各々に、日本や世界で活躍しています。
その中で、昨年、日本でのコロナの原因の一つとなったクルーズ船のことを覚えているのではないかと思います。その船内隔離が解放されて、アメリカ人乗客を帰国させるために、本国から6機のチャーター便が送られて来ました。驚いたことに、その6名の機長の一人は、NIC第1期生でパイロットになった大澤一正君でした。彼自身は、「なぜ選ばれたのかわからない」と言っていましたが、選ばれたのには、理由があったと思います。大沢君は、アメリカのパイロットの8割が、その出身校といわれる、エンブリーリドル航空大学に進学しました。アメリカには、救急救命専用のジェット機があるそうです。アメリカは広いので、いわゆる「ドクターヘリ」のジェット機版です。彼は、卒業後、そのドクタージェットのパイロットとして長年勤め、その後、空軍トップガンを養成する教官に抜擢され、また、民間航空の機長として、数々の実績を積み重ねた結果、6名の一人に選ばれたのでしょう。
皆さんには、世界で活躍するOB/OG達がいると言いましたが、彼らとのNetworkがあり、皆さんに、各々の分野や経験について語ってくれる「懇談会」が行われています。ぜひ皆さんも参加して、皆さんの進路に役立てて欲しいと思います。
話は変わりますが、読売新聞に「教育ルネッサンス」という連載があります。
大学の“合併”“新しい学部・学科の設立”“名称の変更”など取り上げられていましたが、しかし、それは「何のために?」「その実態はどうなのか?」と、大学改革と称するものは、社会や学生のためなのかと、やや批判的に取り上げられていました。今は、時代に対応するかのように「就活ON!」というものが加わっています。ここでも、同じく、就活する人々のために、学生自身の自己改革や学びの姿勢の必要性が問われています。
『大学も学生も「何のための大学なのか」「なぜ大学に行くのか」、それらを見つめ直す、良い機会である』とも書かれています。
良い大学というのは、決して、知名度のある大学、いわゆるブランドではありません。大学教育への取り組みをしている大学です。つまり、大学とそこで学ぶ学生の、双方向の熱意と向学心があってこそ、初めて素晴らしい教育が可能になります。それを目指している大学こそ、良い大学と言えます。
皆さんは、日本の大学に進学しようとしている人たちに比べて1%位の数だと思いますが、おそらく、OB/OGの就活実績から見れば、100倍の思い通りの結果を得られることが明らかです。何故かというと、NICと海外の提携大学は一貫した授業方針で運営されているからです。
一例ですが、コロナ渦で、ほとんどの日本の大学が行っているオンライン授業、それは、NICのものとは全く違ったものです。
社会人は、Zoomで双方向で話し合いながら仕事をこなしているのに、なぜ、日本の大学は、これだけコミュニケーション技術が発展しているのに、オンラインと称した「ビデオ録画」の授業を配信して、課題を提出させるというような、一方通行の方法でやっているのか、疑問に思います。
それは、教師側の姿勢。教師にとって「楽だから」という問題だと思います。一方で、なんと、その授業の録画や編集作業をさせられている大学職員は、大変な重荷を強いられていると言われています。講義でしゃべる人は楽ですよね。だだ聞いてようが、聞いていまいが話をするだけです。
NICのオンライン授業は違います。
学生の居場所は離れていても、その場、その時に、教師とも、学生同士のグループ・ディスカッションもできる、双方向リアルタイムでコミュニケーションができる最新のオンライン授業です。
今や、海外大学のオンライン授業は、旧世代のOne-wayビデオ・オンラインではありません。教師自らがその場の教室にいる人、オンラインで授業に参加している人を含め、ともに、違和感なく、授業を進めているのです。今のオンライン授業は、そういうものです。皆さんはご存じないかもしれませんが、もう20年前以上前から、多地点を結ぶリアルタイムの双方向は行われていました。大学改革は、コロナの影響や対策でもなく、大学教育の在り方、そのものではないでしょうか。
さて、皆さんも是非ここで、なぜNICを選んだのかということを、もう一度考えてみてください。「大学と皆さんの双方の熱意と向学心」があれば、きっと新たな意欲を感じ、大学というコミュニティの一員として、素晴らしい教育を作り上げていくことに、「参加」して頂きたいと思います。
NICの授業は、アメリカ人、イギリス人だけでなく、いろいろな国からの留学生とともに学び、肩を並べて卒業していくための準備です。そして、その後、各々の大学で得られるものは、語学力や知識だけではなく、体験やコミュニケーションに裏打ちされた、血となり肉となった貴重な「人間力」です。
ただ、そこに到達するまでには、多くの困難を乗り越える、大きな努力も必要でしょう。しかし、その過程の中で、確実に力を蓄積し、成功に向けての、皆さん自身の各々の物語を作り上げていくことでしょう。
新たな旅立ちにあたって、夢を追い求める皆さんと、その夢の実現をサポートしてくれる保護者の皆様と共に、入学の喜びを分かち合いたいと思います。
改めてまして、ご入学おめでとうございます。
【挨拶 廣田 和子 NIC代表/校長】
34期生の皆様、ご入学おめでとうございます。また、保護者の皆様、ご列席頂き有難うございます。本来ならば、海外のゲストの皆様もお集り頂き、食事会を含めた盛大な式典を行うところですが、去年からのコロナウィルス問題のために、内輪の式典になりました。しかし、海外の多くのゲストからのお祝いVIDEOメッセージが届いていますので、とても嬉しいことです。
この1年間は何かと生活の変化もあり、NICの授業もONLINEと対面との複合で行うのが通常になりました。NICでの学びは短期間に、集中して多くを学んでいきますので、今年もまた、いろいろと変化を受け入れていく形になるかもしれません。
NICでは海外の学生と同等レベルで学んでいけるだけの英語力と、皆さんの中身を付ける教育を行っていますが、そのためには仲間とともにシェアしながらともに学んでいくことが基本です。NICでは、ONLINEでも対面でも学生とともに学べる双方向性の授業スタイルをしっかりと構築してきました。また、海外の大学の科目もONLINEでつながって学べることも容易になった事など、このような時代が到来したことも変化であり、それに対応して、より良い方法や新しいことを作り上げていくことも重要かと思っています。新しい旅の門出、しかも皆さんはこれから大きく成長して、世界に羽ばたいていく今日はその第一歩の日です。世界を覆うウィルスに負けず、頑張って元気に出発致しましょう。
今までとは違った学びということで、まず、勉強量の違い、学生が良く使う言葉ですが1)Tones of homework があります。課題をこなす、これがある意味海外で学ぶスタンダード、基準になります。特に今までの英語力でなく、海外で学ぶために通用する英語力、つまり、2)critical thinkingがベースになります。今までの学びはINPUTですが、これからはそれらを使って取り出すOUTPUTの学びです。OUTPUTをすることで、皆さんの中身が鍛えられるということで、今までの学びと異なり、常に自分自身の中身を問われる学びの方法です。Tones of homework、勉強量 と それを使ってのご自分の思考、critical thinkingが必要になります。そして、もうひとつが、仲間とともに、share するという学びです。その学び方を3)Sharing experienceといいますが、互いにそれぞれの意見を出し合って、シャアするのが、学びの基本です。ですから仲間が重要なのです。そして仲間と共に、自分も引き出し、一緒に学んでいくので楽しいのです。これが一方通行の学びと違う双方向といわれるNICの、そして、海外の大学での基本の学び方です。
この方法で、自分を通して学んでいくので、知識が知力となって、知識が生かされ自分のものになるのです。NICの学びは英語を使って、この知力を高めることなのです。この知力がこれから社会に出てからも通用する大切な基盤になります。また、学びの量は半端なく多いので、ハードですが、自分と仲間を通して、シェアして学んでいくので、楽しいのです。そして日々自分の成長が確認できることも喜びです。だからハードbut 楽しいのです。ぜひ、NICの学びを楽しんでいってください。
茶道の言葉に一期一会というのがあります。One opportunity , once in a lifetime です。利休の言葉ですが、武士の時代に言われた言葉なので、とてもしっくりします。明日はないのです。今日のこの瞬間がすべてです。利休の前でお茶をたてるのは武将でも戦いより一番怖かったと言われています。それは利休のお茶は非の打ち所がなかったからです。
すべてをその一瞬にかけるというのは、どんな場面でも、いつも必要なことだと思います。一期一会とつながる言葉に、三昧という言葉もありますが、贅沢三昧というのはよく言われますが、本来の意味はその道にすべてをかけるという意味で、一心不乱ということです。そこにすべてをかけるという、とても深い意味です。皆さんもぜひ、NICで、勉学三昧をしてほしいとおもいます。一瞬一瞬を大切にして、すべてをかけて自分を出し切る、そういう期間を人生の中で持つことは、その後の人生を大きく変えていきます。そうすれば、必ず、その実は熟し、皆さんの1年後にすでに力強い成長が見えてきます。そういう成長の結果が、皆さんのそれぞれの分野での活躍になり、それが社会貢献につながります。世界で活躍する先輩たちがそれを証明しています。NIC生のNETWORKは世界中に広がっています。皆さんもその一員に今日なられたということです。
ぜひ、NICでの年数を全身全霊打ち込んで、自分を試し、成長していってほしいと願っています。時間は瞬く間に過ぎ去ります。その同じ時間を長く使うためには、日々新鮮な気持ちで、ワクワクして、そして、新しいことに常にチャレンジすることだそうです。東洋医学の道に進んだOBの小林さんは77歳で博士号を取りましたが、NICの1年が10年の重みがあったとメッセージに書いています。時間を長くするか否かは皆さん次第です。ぜひ、NICでたくさんの体験をして1年間を長く使って、大きく成長していってほしいと思います。がんばってください。そして、ご入学おめでとうございます。
【新入生代表・挨拶 神村 柴野さん】
本日は私たちのためにこのような式典を催していただき誠にありがとうございます。先生方をはじめ、関係者の皆様に、NIC34期新入生を代表して心より御礼申し上げます。私たち新入生は、この日を、NIC生として迎えられたことに大きな喜びを感じるとともに、これから始まる新たな生活に胸を高鳴らせています。
しかしながら、昨年度、そして今なお私たちはコロナウイルスに振り回されています。そのような時だからこそ、コロナ収束後の世界に目をむけることが求められているのではないでしょうか。コロナウイルスが広がる前と比べ、どのような変化があったと感じていますか。私が一番大きく変わったと思うことは不平等の拡大です。特に人種差別 に注目をしています。悲しいことにコロナを通してアジア系住民に対する差別が表に現れるようになりました。この話題を選ばせていただいたのは、この問題を私たちアジア人の問題としてとらえている人が少ないと感じているからです。そして、次世代を担う私たちがこのような社会を変えていくということを宣言させていただきたいと感じたからです。
人種差別に関する日本国内のニュースを目にすることはあまり多くありません。日本人はこの問題に疎いように感じています。そんな中、世界中で大きな波紋を生んだ black lives matter運動は国内でも注目されました。しかし、今回の問題は、あまり注目されていません。このような現状を通して、自ら積極的に視野を広げるべきだと感じました。
私は、高校二年生の夏に、自分とは異なる価値観や文化を持つ人々と知り合いたいという気持ちから、ガーナのアクアペムヒルズという地域にボランティア活動しに行きました。仕事のない人々、働くために学校を辞めざるを得ない子供たち、インフラが整備されてない土地で暮らす人々に出会い交流をしました。彼らは多くの困難を抱えているにもかかわらず、他人への思いやりを大切にしており、私は彼らの親切さや明るさに何度も感動しました。一方、自分のしているボランティア活動がどれだけちっぽけであったかを痛感した瞬間でもありました。この経験から、たった一人では社会を動かせないと再認識することができました。
この経験が海外大学に進学する私の意欲を掻き立てたのです。しかし、海外進学を両親に納得してもらうことは決して簡単ではありませんでした。日本の大学に受かるだけの実力を証明し、それでもなお海外進学がしたいという強い思いがあることを伝えるため、昨年度は受験勉強に打ち込みました。そのかいもあり、慶応義塾大学に合格することができ、それと同時に、海外進学への承諾も手に入れることができました。そして今、このように皆様の前で、挨拶をする機会をいただけています。
NICは 海外の大学に進学する道を開いてくれるだけでなく、世界中にネットワークがあるという点でとても魅力的です。世界中にネットワークを持つことは、社会を変える大きな力になると思います。
NICでは、日本国内外で活躍している日本人と繋がることができたり、これから活躍していく仲間たちと共に学び、素晴らしい人間関係を築くことができると思います。確かに、日本の大学に進学しても素晴らしい仲間に出会うことはできます。しかし、NIC生と国内の大学生の異なる点は、NIC生が“Be different & Be special”というスローガンの下で教育を受け、成長していくことだと思います。
高校時代、私は衝撃を受けたことがあります。授業中先生が自分のことが好きな人、と質問をしたことがありました。その時、誰一人として、手を挙げませんでした。自分のことを好きだと自信を持って言える人がいない状況に驚きを隠せませんでした。しかし、NICでは一人一人の個性を大切にし、個性を認めてもらえる環境があります。そして何より、夢を追いかけることができる環境があります。
私は大学で量子力学を学びたいと考えています。素粒子に興味を持ったのは、ミクロの世界で起こっていることが、私たちの物理学の常識とは全く異なるということを知ったことがきっかけです。将来的には世界最大規模の粒子加速器を所有するCERNというスイスのジュネーブにある研究機関で働き、私たちが今住んでいる世界を新たな目で見ることができるような常識を覆す研究に携わりたいと思っています。1年後海外に飛びたった時に、日本人代表としての誇りを胸に、NICで学んだ時間が自分の自信になるよう精一杯努力し、勉学に励んでいきたいと思います。
最後になりますが、私たちが今日この日を迎えることができたのは家族や、友人をはじめとする多くの人の支えがあったからです。感謝の気持ちを忘れず、夢や目標に向かって日々努力し、豊かな学生生活を送ることを誓います。ご静聴ありがとうございました。
NIC第34期生 神村 柴野さん 静岡県立静岡高等高校出身
【在校生代表・挨拶 松本 美卯さん】
こんにちは、N I C33期生の松本美卯です。
少しの間ではありますが、 N I C 34期生の皆さんの前でスピーチさせていただく機会をいただき、とても嬉しく思います。
はじめに、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
NICに入学するにあたり、様々な決断や努力をしてきたことかと思います。その1つ1つが、NICでの素晴らしい経験につながっていると信じています。皆さんはこれからNICで素晴らしい先生方、スタッフ、そして一生付き合っていく仲間と出会うことでしょう。
私はNICで数え切れないほどのことを学びました。
また、クラブ活動ではクリスマスパーティーで歌ったり、クラスメイトとスポーツをしたり、とても濃く充実した一年を過ごしました。
皆さんも、今まで先輩方が辿ってきたように忘れられないハードbut楽しい一年を経験することでしょう。
そこで今日は、私から伝えたいことが1つあります。
私はNIC生活で、チューターとして34期生のヘッドスタートの学生と話す機会がありました。
そこで私は、たくさんの学生がNIC生活に大きな不安を持っていることに気づきました。
自分が授業についていけるのか、果たして成長できるのか、今思えば私も同じ不安を入学時に抱えていました。
私がNICを経験して今伝えたいことは、どれだけ自分が成長できるかよりも今自分に何ができるかを考えることが大事だということです。
毎日の成長に目を向けていても成長の実感は湧きませんが、半年後、一年後、振り返ってみると自分がどれだけ成長したかに驚かされるでしょう。
大事なことは、視点を変えることです。
どんなにネガティブに見える物事も、視点を変えるのは自分の自由です。
私はオンライン授業をとてもネガティブに捉えていましたが、今思えばリモート授業のおかげで新しいことを始めたり、昨年7月になくなった祖父に会うことができました。
私の夢は、このように人々の視点、考え方を、演劇を通して変えることでより良い社会を作っていくことです。
今年の9月からは、シアター専攻の学生としてイギリスで3年間勉強します。
重ねてにはなりますが、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
そして彼らの一番のサポーターであるご両親の方々をはじめ、先生方、NICのスタッフ、そして今日運営を手伝っていただいているOBOGの皆様に感謝を伝えたいと思います。
最後に、私の大好きな舞台の本番前によく使われる言葉で締め括りたいと思います。
Break a leg, 成功を祈っています!
NIC第33期生 松本 美卯さん 英国大学チチェスター大学 ミュージカル・パフォーマンス学部へ進学、明治大学2年中退、東京都立新宿高等学校出身