船本 怜さん (ふなもと れい )
University for the Creative Arts
NIC東京校 第35期生 / 東京表現高等学院MIICA
趣味: クラシックバレエ、ダンス、作詞、アート、ファッション、自動販売機巡り
東京都出身の船本さんは、イギリスの芸術大学に進学する予定です(2023年9月)。
アート一筋の高校時代
生きるか、身を削ってアートに没頭するかの二択しかない、”THE極端な女子高生”でした。中学一年生の途中で勉強することを辞め、芸術の分野に進んだので、5年間くらいは、英語はおろか、一秒も勉強をしたことがありませんでした。
当時はそれでいいと思っていましたし、バレリーナになりたかったので、学校が終わってすぐに週に4から6回バレエに通い、遅く帰宅しては、寝るの繰り返しでした。そのような生活をしていたので、当然学校の成績はすごく低かったのですが、一緒にバレエを習っていた姉2人も同じ生活をしていたので、特に何も思いませんでした。
でも、実は心のどこかで、成績が優秀な子達を羨ましく思う自分もいました。ただ、英文法なんて、be動詞すら分からなかったので、完全に勉強することを諦めていました。また、高校はデザイン、演劇、歌、作詞などクリエイティブを基礎から学ぶ専門学校に通っていたので、高校生アーティストという看板を持ちながら、そちらの道に駆け上がっていました。
大変そうな勉強も、楽しんでいる姉の姿を見て、入学を決意
ある日突然、姉がNICに入学することになり、その後なりゆきで、私も入学することになりました。
でも、私は元々小さい頃から留学したいと思っていたので、NIC入学当初は、「ああ少し留学まで遠回りするんだな」ぐらいにしか思っていませんでした。
正直、入学当初はあまりの自分の英語の出来なさに、授業についていけるか不安だったのですが、先にNICに入学していた姉が大変そうな生活の中、すごく楽しそうだったので、「ここなら私も頑張れるかな」と思い、入学することに決めました。
勉強の分野も、エンターテイナーに!
私は一番下のクラスを2度経験して、担任の教授に「君には文法に深刻な問題がある」と何度も何度も言われているので、中学英語を基本的に学んでいます。それでも、自習で中学英語を理解できる訳ではないので、チュータリングセンターという、上のクラスの人達に勉強を教えてもらえるところに、毎週欠かさず通い、英語力を上げています。
それでもまだ、文法に深刻な問題があるみたいなので、「うぅ、、、」と思いながらも、教授とチューターに自分の成長を披露する、ある種のエンターテイナーになろう!と決心。考え方をポジティブにシフトチェンジしたので、自分のテストの点数や、課題の評価が上がっていくことにやりがいを感じています。
断然「今」が楽しい!人生をより楽しむ!
5年間1度も勉強しなかった私が、起きている間は大体英語を勉強するようになりました。「そんなの、太陽の色が青色になるのと同じじゃん!」と思うくらいに、生きている世界が変わりました。
まず、寝ている間、夢を英語で見るようになりました。誰かが英語で喋っていたり、自分も英語で返答していたり、そして起きた時に、「あの時、あの人が喋っていた英語間違っているよな、、、」とまで思うようになりました。具体的な生活面では、大体朝の6時に起きて、ストレッチと簡単なエクササイズをした後、身なりの支度をして、学校に向かいます。電車の間は単語を勉強したり、英語の本を読んだりしています。
英語とクラシックバレエを並行して続けているので、徒歩の時間は音楽を聴いて踊る時のイメージトレーニングをしています。そして、授業が始まる40分ぐらい前にNICに到着。その日の課題や、前日の復習、Readingの課題などをして過ごします。授業終了後は、NICが閉まる8時まで残って、課題をこなし、チュータリングセンターに通います。家に帰宅後は、就寝という感じです。
NICの授業に負けないくらいバレエやダンス、アートも私にとって大切なので、毎日このような生活を過ごしている訳ではありません。当然疲れた日は、授業が終わってからすぐ帰って休むこともあります。そういうときは土日に、最低3時間くらい文法と単語メインの復習をするようにしています。この生活を始めて思うのは、前までの自分と見ている世界がまるで違うということです。例えば、ゆっくりしている時に、「この時間って何か自分にとって得があるのかな?」とか、「今、自分に足りないものはないかな?」と自分自身のライフスタイルを見つめ直している気がします。休日も全然休めた気がしなかったり、緊迫感があって少しきつい時もありますが、それも1年くらいなら耐えられます。
5年前、月日を上手に使わない選択をしていた私と比べると、断然「今」の方が楽しいです。そして、今はやりたいことも、守りたいものも、はっきりしているので、人生がより楽しいし、時間が進むのが本当に早いです。以前は、青い空と白い雲しか見れていなかったのに、今は夜に綺麗な星が光るということを、心から知りました。そして、その星は涙が滲んではっきり見えない時もあるけれど、確かに、いつも存在しています。
世界にもっと綺麗なものを創造してゆきたい!
バレエ、ダンス、音楽、ファッション、アートの全てを本気で探求し、削られていく私自身の身も寿命も気にならないくらい心を注げる仕事を、世界で実現してゆきたいです。日本と海外とを行き来し、もう本当に「BUSY!」と心から思えるような人生を全うしたいです。たとえ、私が私として輝ける時間が少なく、命が短いとしても、後悔しないような毎日を、この手で切り拓きたいです。そして、その実現には、英語の勉強とバレエのレッスンと、アートに対する自主活動がとても大事!
まだまだ全力で駆け抜けて、世界にもっと綺麗なものを創造してゆきたいです。
自分に誇れるもの、それは「自分自身」。
自分の人生を振り返ってみた時に、「私は、生まれた意味があるのかな?」と悩んでいた私が、アートに出逢い、そしてNICに出逢って、自分に誇れるものを初めて見つけることが出来ました。それは、「私自身」です。
どんなにきつくても、どんなに眠たくても、決して授業を休まず、泣きながらでも勉強し続けたあの時の自分を、心から誇りに思います。そして、そうしたNICでの一瞬、一瞬が、人生の中で、間違いなく1番輝いていると思います。それと同時に、「もう、頑張れないんじゃないか」とか、「歳を重ねるのが怖い」、とか黒いものに私の心が包まれていく時も何度もあります。そんな時は、いつだって隣を見れば苦しい顔をしながらも、一生懸命勉強をしている仲間がいて、私に勉強を教えてくれる人がいて、「自分は1人で戦っているのではない」と思うことができる、大切な存在がすぐそばにいます。
自分自身が変われば、世界が変わります。友達がいない人も、自分から声をかけてみたり、一歩踏み出してみると、そこには新たな世界があります。そして、その世界は必ずしも安全ではないし、いい事ばかりでもない。しかしながら、挑戦した人にはその人たちしか得られない、”たいせつなもの”を得ることができます。それは、「自分自身を知ること」です。
本気で何かを成し遂げた時に初めて、本当の意味で、「自分自身を知ること」ができるのです。そして自分自身を知ること、それは「経験」となり、自分以外の誰かを助けるときに役に立ちます。そして、あの時あなたが助けたあの人から、恩として、自分自身に巡り帰ってくるのです。なんて美しい道なのでしょうか。どうして私はもっと早く気が付かなかったのか、、いつかこの冊子を読んでくれた人が、オレンジ色の空の下で、あなたとあなたのあの日に、感謝できますように。