川﨑 優斗さん (かわさき ゆうと)
University for the Creative Arts Fine Art
NIC東京校 第35期生 / 千葉県・鎌形学園東京学館船橋高校
趣味: ランニング、物語を考えること、抽象画を描くこと、答えがないことについて考えること
千葉県出身の川崎さんは、イギリスの大学に進学し(2023年9月)、アートを学ぶ予定です。
悩むことも多かった高校時代
自分の周りにいる人のためになにができるかを考えて、自分のことは後回しでした。目の前に嫌な思いをしてる人がいたら、助けたい、問題からは目を背けず、放っておけない性格でした。
みんながめんどくさいと思うようなことに、自ら飛び込んでしまうような、そんな学生でした。アウトプットをする力もCritical Thinkingをする力もなく、自分の表現の仕方が分からず、頭の中で思っていることや、自分の気持ちがうまく表現できずに悩むこともありました。
テレビや、Youtubeの動画を観ていても、海外の人たちはいつも活気に満ち溢れていて、それに比べ、僕自身は、いつも箱に閉じ込められているような気がしていました。例えば、日本以外の海外の選挙の様子などを観ると、国民が政治に対してはっきりとした意志を持っていたり、自由に考えや思いを発言できる姿が、力強いなあと憧れることもありました。
本気になれる場所が、見つかった瞬間
僕は高校で美術工芸科という科に入り、美術のスキルや歴史をはじめ、美術工芸科だからこそ学べる貴重な授業を受けてきました。デッサンや絵画、ビジュアルデザイン、CGアニメーションや映像表現、彫刻、木工や金工、陶芸などの多種多様な表現方法に触れてきました。
そんな中で自分の作品が「なぜ」存在しているのか、自分の作品には何か意味はあるのか、目に見えない思いをどうにか言語化しようと、考えるようになりました。クラスメイトは、「そんなものはない」「理由なんかない」、「美術は言語化できない」と、自分の作品について多くを語ろうとしない人もいました。確かに、アートの中には「それを見た人がどう感じるか」に作品のすべてを託しているものもありますが、作者としての意図や考えはあると私は思っています。
僕は自分の絵や作品には意味やメッセージを込めるようにしています。クラスメイトの作品にも何かメッセージがあるかもしれないと探し、話し合おうとしましたが、クラスメイトは「意見の押し付けになるから話したくない」、「自分の作品を決めつけられたくない」と、意見交換をし互いに高め合える環境はそこにはありませんでした。
僕の高校生活は、いやなこと、つらいことが沢山ありました。なんでも人や環境のせいにする人。都合が悪くなるとすぐ逃げる人。周りに流されて自分がない人。そんな先生や生徒が多くいる中で、私はなりたい自分が見えてくるようになりました。
僕にできることを最大限に活かしたい。自分にできることはなんだろう。まだ挑戦が足りない。経験が足りない。何もかも足りない。どんなにすごい考えを持っていても、自分を外に出す力、アウトプットする力がないと、それは実現することができません。
海外のアート作品に興味があったことから、海外に行きたいという思いは、小さいころからありました。進路先を調べている内に出てきたのは、「本気の留学」というNICの言葉でした。僕が探していた本気になれる場所が見つかった瞬間でした。僕はここで学ぶんだとすぐに分かりました。
やってもやっても終わらない宿題
NICの授業では教科書の文章について自分の意見を交換するDiscussionという授業内容や、新しい単語を使って自分で文章を書いたり、教科書のストーリーを自分なりに纏めたり(Summarize)、ノートを英語で作成して理解を深めることも学びます。また、X-readingというウェブサイトで英語の本を毎週7冊読んでクイズに答え、News for You というウェブサイトで世界で起きていることを英語で学ぶこともできます。
NICの課題では、エッセイなど英語でとにかく沢山書くことが多いです。自分の趣味について、睡眠不足の原因について、地球温暖化について、簡単なトピックからアカデミックなトピックまで様々な視点で文章の構造を考えて、英語で文章を作っていきます。
文章の構成、フォーマット、文法などネイティブの教授が丁寧に一から教えてくれるので、とても安心です。Listening の課題では、とにかく沢山英語を聞きます。YouTubeなど英語の動画を見つけレポートを作ったり、日記を書く課題もあります。一日4時間位を目安に、教授は課題を出すのですが、僕は6時間以上かけても終わらないときも少なくありませんでした。その理由は、まず文章の内容を理解するまでに時間がかかり、分からなかったら調べ、理解できるまで答えを探すからだと思います。クラスメイトが30分かけているものを、僕は1時間以上かけている時もありましたが、時間をかけたらかけた分だけ結果が得られるので、とても嬉しいです。課題に時間をかけることが、僕のやりがいに繋がりました。
「完璧」はいらない、NICの勉強
入学当初は、英語で3〜4文ほど纏った文章も書けず、翻訳機を使っては、教授にいつも「This sentence is not your own sentence」と叱られていました。(翻訳機は絶対に先生にバレます。)そんな中で気づいたのは、僕は完璧を求めていたということ、そして、自分の英語が理解されないかもしれないという大きな不安を持っていたということです。
僕はこの気持ちを、バラバラの文法とつたない英語で先生に必死に伝えました。すると、教授は僕に対して、「You are a hard worker」と言ってくれました。頑張っていると言うことを、教授はしっかりと理解してくれていたのです。間違ってもいいから、完璧な英語でなく、僕の英語を教授は求めていたのだと気づきました。
高校時代は、いつも正解を求められてきました。でもNICでは、違います。生徒一人ひとりの個性や課題への取り組み、正解不正解だけでなく生徒そのものを見てくれました。答えが間違っていたとしても単に0点を与えるのではなく、自分の考えをしっかり説明できていれば0.5点でもくれます。
教授と話し合い、交渉して、教授が納得すれば点数を貰うこともできます。彼らのおかげで、僕は完璧を求めることも、理解されないという不安な気持ちもなくなりました。間違っていてもいい、完璧な答えよりも自分の答えを伝えようとする気持ちが大切であると気づきました。
言葉一つひとつに、説得力を持てる人になりたい。
一人ひとりが未来を切り開いていけて、自分のしていることに目的を見いだせる人を、一人でも増やすことが僕の目標です。たとえ人が見たこと、やったことを目や耳にしてもそれは自分の身にはなっていない。僕は、立ち止まって想像するよりも、実際に行動に移し、現実に飛び込める人になる。そんな経験を沢山増やし、言葉一つひとつに説得力を持てる人に僕はなりたいです。できない理由やそれができない自分を正当化する考えは、いっぱい出てきます。そんなものに、僕は絶対に負けません。
英語は、世界を知る大切なツール
今では、スマホなどで、見たい情報、知りたい情報、たくさんの事をすぐに見つけることができます。これからは、こんな時代だからこそ、すぐに探し出せる正しい答えより、独自の価値観や考え方がより大切になってくると僕は思います。そして、世界のほとんどの情報は、英語です。その英語を使えるようにすれば、より柔軟な角度、より自由な発想から、物事を多角的に捉えることができるはずです。
スマホのような、小さな画面で展開しているつくられたリアリティーではなく、手を伸ばせば届くリアルを、掴みたくはないですか?不可能は、可能にするためにあります。失敗は、成功するために必要なステップの1つです。その過程があるからこそ、成長があります。
情報は、知る必要がある人に提供されます。つまり、あなたはNICを必要としている、あるいはNICがあなたを必要としているということになります。一緒にいっぱいステップを踏んでいきましょう!
NICのみんななら、何があっても絶対大丈夫です。なぜならみんなNICを選び、NICに選ばれたのだから。あなたの未来は当たり前や常識が決めるのではありません。自分の未来は自分で決めるのです。「きみは変われる」、その言葉を信じて!